コーヒーは育毛を考えるときに話題としてよく出てくる飲み物です。
この作用が髪の毛に良いとか、これが薄毛の原因になるだとか、
いろいろな作用やうわさがあります。
特に気になるものが
コーヒーのカフェインがDHT(悪性男性ホルモン)を減少させるというものです。
これがもしそうなら凄いことなのですが、本当なのでしょうか?
コーヒーは普段から良く飲むものなので、効果や影響をはっきりさせておかないと少し不安ですよね。
ということで、今回はDHTを減少させるというのは本当なのか、
育毛に関するコーヒーのメリット・デメリットは何かについて解説していきます。
目次
コーヒーに含まれる成分
まずはコーヒーに含まれる成分について簡単に紹介します。
- 水
- カフェイン・・・眠気覚ましとして有名、薬にも使われる
- タンニン・・・ポリフェノールの一種で、渋みを出す成分
以上が主要な成分となっています。
特に有名なのがカフェインですね。
これらの成分が良くも悪くも体にさまざまな影響をもたらします。
まずはコーヒーのメリットから見ていきましょう。
育毛に関するコーヒーのメリット
コーヒーおは本来体にとても良い飲み物です。
眠気防止をはじめとする集中力やパフォーマンスの向上、疲労回復、認知症やアルツハイマーの予防など、さまざまなメリットがあります。
中でも、育毛に適したメリットが2つほどあるので紹介します。
1、タンニンをはじめとするポリフェノールの抗酸化作用
コーヒーの有名成分のタンニンですが、これは渋みを感じさせるポリフェノールの一種です。
ポリフェノールというのは最近よく話題になるので聞いたこともあるかと思いますが、
もともとは植物に含まれる、細胞を健康に保つための物質です。
ポリフェノールは人間の体内では、特に抗酸化作用を持ちます。
抗酸化とは、活性酸素に対抗する能力です。
活性酸素は体内の毒素や不要な物質を攻撃するために存在しますが、
その殺傷能力の強さから、自らの細胞も傷つけてしまいます。
このように細胞が傷つけられると当然様々な不調が生じるため、
活性酸素が薄毛の原因の一つにもなっています。
そんな活性酸素を除去してくれる能力を持つのがポリフェノールです。
コーヒーももとは植物ですので、タンニン以外にもいろいろなポリフェノールを含んでいます。
2、カフェインがDHTを減少させる?
DHTというのは、AGAの原因となっている悪性の男性ホルモンです。
通常の男性ホルモン(テストステロン)が、酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、それが髪の毛の成長を阻害することによって抜け毛が増えていきます。
カフェインにはこのDHTを減少させる効果があるといううわさがありますが、
それは本当なのでしょうか?
結論から言うと、
この効果はそこまで期待できないのではないかと僕は考えます。
このうわさは、カフェインによる利尿作用からそう言われています。
カフェインには、腎臓の血管を拡張し血行を良くする作用があります。
したがって、腎臓のはたらきが活発になります。
腎臓の一番のはたらきは血液中の不純物を尿として体の外に出すということですよね。
このはたらきにより血中のDHTが外に排出されると言われています。
しかしカフェインの利尿作用は著しいものではなく、
効果を実感できる量のDHTを排出することは難しいと考えます。
もちろん全く効果がないというわけではないのですが、
これを期待してコーヒーを飲むほどのことではなく、おまけ程度に考えるのが妥当でしょう。
もちろん利尿自体は毒素を出すため、体にとって健康に良い作用です。
育毛に関するコーヒーのデメリット
コーヒーにはたくさんの健康効果がある反面、
あまり良くない面も持ち合わせています。
胃が荒れる、眠れなくなる
などが代表例ですが、育毛に関するデメリットは主に2つあります。
1、カフェインによる血管収縮作用
コーヒーに含まれるカフェインを摂取すると目が覚めるというのはおそらく誰もが知っていることかと思いますが、
実はこの効果には続きがあります。
人間が眠気を感じる原因となっている物質として、アデノシンというものがあります。
このアデノシンが作用することによって神経活動が落ち着き、眠気が来るわけです。
しかし、カフェインにはこのアデノシンのはたらきを邪魔する性質があります。
カフェインがアデノシンの邪魔することにより脳は、神経を興奮させる物質を放出しやすくなります。
これによって眠気がなくなったり、集中力やパフォーマンスの向上など
さまざまな健康効果につながるわけです。
しかしそれだけではなく、体が興奮状態になるため末梢の血管(手足など心臓から離れている血管)が収縮し、一時的に血行が悪くなるというデメリットもあります。
(人間は興奮時には末梢の血管が収縮するようにできています。)
血行が悪くなると栄養素が体に行きわたらなくなるので注意が必要です。
ただ、カフェインの場合は一時的に興奮し血管拡張が起こるため
タバコのような慢性的な血行不足にはなりません。
また、夜にカフェインを摂取してしまうと
アデノシンが邪魔をされたことによる興奮・血管収縮の状態で眠ることになり、、
睡眠の質が下がってしまうのでコーヒーを飲むタイミングには気を付けましょう。
カフェインは抜けるのに5時間以上必要と言われているので、
なるべく18時以降は飲まない、もしくはカフェインレスを飲むようにすると良いでしょう。
2、タンニンが亜鉛の吸収率を下げる?
コーヒーに含まれているタンニンが、亜鉛の吸収率を下げてしまうと言われています。
亜鉛は、体内のアミノ酸を合成して髪の毛を作るはたらきをします。
よって育毛を考える上でとても大切な栄養素です。
しかし、これについては最近の研究で、
あまり気にする必要はないとされています。
適量を守ってさえいれば大丈夫です。
ちなみに、亜鉛は主に、魚介類(特に貝類や小魚)・肉類(特に牛肉)・ゴマなどに多く含まれるため、気になるようでしたらこれらを積極的に食べるようにすると良いでしょう。
クエン酸やビタミンCと一緒に摂取することで、
吸収がしやすくなると言われています。
以上が育毛に関連したデメリットとなります。
まとめ
それではまとめです。
- コーヒーは様々な健康効果があり、育毛に関するメリットはタンニン(ポリフェノール)の抗酸化作用
- カフェインによるDHT減少はおまけ程度に考えると良い
- デメリットとしては、カフェインによる血管収縮・タンニンによる亜鉛吸収の阻害(可能性)がある
となります。
コーヒーは適量であれば、健康にとても良いとされています。
メリット・デメリットを考慮したうえで、うまくコーヒーを楽しむには
- 寝る前や体を休めたい時にはコーヒーは控える
- 食後(特に亜鉛を含んだものを食べた場合)のコーヒーは控える
- 1日1~2杯程度飲むのが健康的
- コーヒーは飲みたいがカフェインを摂りたくないという場合はカフェインレスにする
というようなことを意識すると良いでしょう。
もちろんコーヒーによって受ける影響には個人差もあります。
体質的にカフェインが苦手な方もいれば、全然大丈夫な方もいると思います。
そこらへんは自分の体と相談して考えていきましょう。